授業紹介

授業紹介 写真1  東北大学法学部では、法や政治の歴史的・思想的・社会的背景を学ぶ導入的な基礎講義
(1・2年次)から、法学・政治学の根幹をなす基幹講義(2・3年次)を経て、より深い
理解・知見を涵養するための展開講義(3・4年次)に至る多彩な講義と、それらの講義をフォローアップする少人数で行われる演習(ゼミ)が数多く開かれます。皆さんは、このように段階立てて提供される多彩な講義・演習を履修していくことによって、法学的・政治学的な思考能力と知識を無理なく体得することができるでしょう。ここでは、これらの多彩な講義・演習の一部を、学生の目を通して紹介してもらいましょう。

[演習] 民法基礎演習

自分の法律感覚を磨き、柔軟な考え方を身につけることができます。

水野 紀子 教授  民法はもっとも私たちの身近にある法律です。民法を学ぶ上で興味深いと思うのはそういった私たちの身近に起こりうるできごとに民法という法律がどうアプローチしていくことになるのか、またどうアプローチしていくべきなのかを考えることです。そのために不可欠であるのが、事件の事実や判決、理由などが書かれた判例を読むという作業です。民法基礎演習では発表者も他の参加者も判例を読み、疑問点や自分の意見を述べて議論していきます。この演習では、自分の法律感覚を磨くだけでなく、人の意見から新鮮な刺激を受けることができます。様々な人の考えを聞き、それに対して自分の意見を持って、時に反論していくことで、柔軟な考え方を身につけることができるのです。
 また、このゼミには多くの留学生が参加しています。日本とは異なる文化や法制度を持つ国から来ている彼らと意見を交換することは、演習をさらに興味深いものにして
います。私にとって2年生の時期からこのように良い刺激を受けることができる演習に参加できたのは、とても有意義なことでした。担当の水野先生は民法・家族法を専門にされていて、必要なときにはわかりやすく解説してくれますが、発表に際しては学生の自主性を、大事にしてくれます。
 民法基礎演習は様々な面で学生を成長させてくれるゼミです。民法に興味のある人はもちろん、議論を通して柔軟な法律的思考を身につけたい人はぜひ参加されることをお勧めします。

(高橋 大輔)

[演習] 西洋政治思想史演習

政治思想史を学ぶことは、過去の人々と時空を超えて対話すること。

犬塚 元 教授  政治という行為や概念を定義することは難しいですが、政治を構成する大きな要素として「対話」を挙げることができるかと思います。わたしたちは、対話を通して相手の意見を聴き、受け入れ、ときにこれに抗ってたたかい、説得することになります。このような対話は、国会における議員同士、議員と有権者、一般市民同士など、様々な関係の中で、あるいは様々な場所で繰り広げられます。ところで、対話は必ずしも現在生きる人同士でなされるわけではありません。わたしたちは、文献を通じて過去の人と対話することも可能です。政治思想史を学ぶということは、単に政治思想の歴史を知ることだけではなく、より壮大に言えば、書かれたものを通じて過去の人々と時空を超えて対話することであるともいえます。
 犬塚先生のゼミは、原典講読と現代政治理論を一年ごとに交互に行います。昨年度は後者でした。政治学系の講義ではまだ扱われないような、最新のテーマが多く取り上げられました。
 このゼミの魅力は、発言しやすい環境であることと、その環境によって参加者同士の議論が活発であることです。参加者の発言は十人十色で、自分の気づかないような観点からの指摘が数多くなされ勉強になります。さらに、自分の意見を相手に理解してもらうように伝えることのトレーニングにもなります。また、先生による補足説明も明快でわかりやすく、知識も豊富に習得できます。
 政治思想を学びたいという方はもちろん、ゼミで活発な議論を経験したい方、他人と意見を交換したい方は、ぜひこのゼミに参加してみてください。

(黒川 政矩)

授業紹介 写真2

[講義] 憲法

人権保障と統治原則の根幹を規定する最高法規。

中林 暁生 准教授  憲法といえば、多くの人が一度は学んだことのある法でしょう。中林先生の講義では憲法の基本的な理解を深めると共に、今日問題となっている先進的な論点についての議論にも触れることができます。
 先生の講義の特徴はやはりそのレジュメの量です。2単位の授業で150ページにも及ぶレジュメには各教科書からの引用や、重要判例の内容とそれに対する社会の反応、さらには新旧司法試験の関連問題と先生自作の詳細な解説などといった学習上必要な資料が惜しみなく載せられており、少しでも情報の伝達量を増やそうという先生の配慮がそのレジュメの重みとともに伝わってきます。講義はレジュメに則って行われ、教科書の記述や判例の意義について丁寧な説明を加えてくださるため、自習では理解がおぼつかない箇所を十分に補うことができます。
 講義中のメリハリも特徴の一つといえます。基本的には厳格な雰囲気の中で講義が進められ、学生のまなざしも真剣そのものですが、時折笑いとともに先生の経験談が挟まれ、また先生ご自身が東北大学で学ばれたということもあって、講義の随所に東北大学法学部の歴史を感じ取ることができます。
 人権保障と統治原則の根幹を規定する最高法規、それが我が国における憲法です。こう言うと仰々しいように感じるかもしれませんが、憲法は意外と私たちの身近にあるものです。何気ないように見える出来事も憲法問題に置き換えてみると、興味深い考察が得られたり、新たな視点から物事をとらえることができます。本講義はみなさんにとってもそのような発想の契機になるものではないかと思います。

(三本木 桃)

[講義] 労働法

労働法を学び、社会を知り、将来を考えるきっかけに。

桑村 裕美子 准教授  アルバイト、就職活動。大学生にとって、「労働」は高校生までとは違い、身近な問題となり、関心を持つ話題ではないでしょうか。昨今は、リーマンショック以降の不況が続き、派遣切り、内定取消、有効求人倍率の悪化等、労働に関わる問題は深刻です。
 社会人の一歩手前として、労働に関わる諸問題を多少なりとも考える大学生にとって、労働法を学習することは、社会を知る、考える上で大変魅力的だと思います。確かに、就職活動やアルバイト等でも、社会を学ぶことはできるかもしれません。特に就職活動として企業を調べることにより、今まで全く未知の世界であった業界について学んだ人も少なくないでしょう。
 しかし、労働に関わる事柄を個別ではなく、包括的に、つまり社会全体として「労働」を学ぶ上で、労働法は必要であり、そして、それこそが労働法を学ぶ一番の魅力
なのでは、と私は思います。
 というのも、まずは判例です。労働法の判例においては、「…を総合的に考慮して、
…」というフレーズが多いと印象を持つ人も多いと思いますが、総合考慮判断では事案を深く分析することが必要です。講義でも百選はもちろん、適宜配布される補充レジュメを使用し、様々な判例と触れることができ、同じような問題の中でも様々な視点を持つことができます。
 また、労働に関する用語も、社会を知る一つでしょう。社会では常識の組合や就業規則等々。挙げればきりがありませんが、講義では、最近の組合の動向や、労働契約法の成立など、昨今の状況も合わせて分かりやすく説明されるので、イメージも付きやすいです。
 社会人のステップとして、ぜひ労働法を学び、社会を知り、将来を考えるきっかけにしてください。

(伊藤 愛)

授業紹介 写真3

法学部生のキャンパスライフ

法学部生の1週間の一例

法学部生の1週間 図

鈴木さん・佐藤さんの場合(2013年4月現在)

法学部生の1週間 図

佐藤 1年生は一般教養科目が多いよね。
鈴木 そうですね。先日まで、隣の川内北キャンパスで他学部の学生と一緒に講義を受けていました。みんな、どのように履修をしていくんでしょう?
佐藤 1年生のうちに一般教養科目を大方履修して、2年生以降は専門科目に集中するのが一般的だね。法学部の講義は難しいものも多いし、成績も期末試験の点数が重視されるから、しっかり勉強しないと苦労するよ。
鈴木 そうですよね。なんだか不安です…。
佐藤 でも、それだけ勉強し甲斐があるってことだよ。法律に興味があれば頑張れるだろうし、ここで学んだことは社会に出てからもきっと役に立つからね。
鈴木 先輩、ゼミはまだ履修していないんですか?
佐藤 3年生になった今年から履修する予定だよ。勿論、2年生のうちから履修している人もいるけどね。自分で計画を立てて時間割を組めるのも大学生の特徴だよね。
鈴木 なるほど。私もいろいろ考えてみようと思います。
佐藤 ゼミと言えば、東北大学法学部には自主ゼミがあるね。
鈴木 法学部の学生が自主的に運営する団体で、法律に関係する様々な活動をしているんですよね。私たちが所属している模擬裁判実行委員会もその一つです。
佐藤 60年以上も続いているからね。今年の公演も成功させたいね。
鈴木 そうですね。頑張りましょう!