公法判例研究会

東北大学公法判例研究会は、研究者、実務家、大学院生から成る判例研究会です。原則として、毎月第三土曜日の午後1時半から、公法(憲法、行政法、租税法)に関する判決を2つ取り上げて、研究会を行っています。

直近の研究会

日時 日時:6月17日(土)13時30分より
場所 場所:東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟3階大会議室
報告者 御幸 聖樹 氏(横浜国立大学准教授)
事件 最一判平成27年12月14日(平成26(オ)77号、平成26(受)93号)民集69巻8号2348頁

被上告人が昭和49年に電電公社を退職した際に日本電信電話公社共済組合(旧共済組合)から退職一時金として14万1367円を受給したところ、被上告人が満60歳となり旧共済組合の組合員であった期間を計算の基礎とする老齢厚生年金及び退職共済年金の受給権を有するようになったため、旧共済組合の権利義務を承継した上告人が、被上告人に対し、当該退職一時金として支給を受けた上記の額に利子に相当する額を加えた額に相当する金額66万0460円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審が、上告人の請求のうち退職一時金利子加算額の利子相当額に係る部分を棄却したため、上告人が上告した事案において、厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令4条2項の利率の定めが無効であるとした原審の判断には、憲法解釈の誤り及び結論に影響を及ぼすことが明らかな法令解釈の誤りがあるとし、原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れないとし、上告人の請求には理由があるから、これを認容した第1審判決は正当であり、上記部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。

一審:東京地判平成24年12月26日(平成24(ワ)1499号)民集69巻8号2384頁

原審:東京高判平成25年9月26日(平成25(ネ)1057号)民集69巻8号2391頁

報告者 釼持 麻衣 氏(上智大学大学院博士課程)
事件 最三判平成26年1月28日(平成23(行ヒ)332号)民集68巻1号49頁

小浜市長から廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可及びその更新を受けている上告人が、同市長により同法に基づいて有限会社Bに対する一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分並びに被上告補助参加人に対する一般廃棄物収集運搬業及び一般廃棄物処分業の許可更新処分がされたことにつき、被上告人を相手に、上記両名に対する上記各許可更新処分は違法であると主張してそれらの取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、原審は、上告人は本件各更新処分の取消しを求める原告適格を有しないとしてこれらの取消請求に係る訴えを却下すべきものとし、国家賠償法に基づく損害賠償請求を棄却すべきものとしたため、本件上告人が上告した事案において、原審の判断のうち、本件更新処分1及び本件更新処分2のうち、一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分の取消請求並びに損害賠償請求に係る部分には、法令の解釈適用を誤った違法があるが、上告人は、平成25年5月8日に小浜市長に対して廃棄物処理法7条の2第3項に基づき一般廃棄物収集運搬業を廃業する旨を届け出た上で同年6月に廃業したことが明らかであるから、上告人が上記各処分の取消しを求める法律上の利益は失われたものといわざるを得ないとし、本件更新処分2のうち一般廃棄物処分業の許可更新処分の取消請求に係る訴えは当初から原告適格を欠いていたのであるから、本件各更新処分の取消請求に係る訴えをいずれも却下すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、原判決のうち損害賠償請求に係る以外の部分に係る上告を棄却し、他方、原審の判断のうち損害賠償請求に係る部分に関する部分は破棄し、本件各更新処分の違法性の有無等について更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻しを命じた事例。

一審:福井地判平成22年9月10日(平成18(行ウ)5号、平成22(行ウ)11号)民集68巻1号77頁

原審:名古屋高判金沢支部判平成23年6月1日(平成22(行コ)16号)民集68巻1号102頁

次回(7月)の研究会のお知らせ(予定)
日時:7月22日(土)13時30分より
場所:東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟3階大会議室

※研究会終了後、暑気払いの懇親会を予定しております。

公法判例研究会幹事:高橋 勇人 oboe_1208_oboe yahoo.co.jp