公法判例研究会

東北大学公法判例研究会は、研究者、実務家、大学院生から成る判例研究会です。原則として、毎月第三土曜日の午後1時半から、公法(憲法、行政法、租税法)に関する判決を2つ取り上げて、研究会を行っています。

直近の研究会

日時 2月17日(土)13時30分より
場所 東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟3階大会議室
報告者 千國 亮介 氏(岩手県立大学 講師)
事件 広島高判平成29年12月20日(平成28(行コ)24号)裁判所ウェブサイト投票することができる地位にあることの確認を請求する訴えについて、控訴人は,1審判決後に刑の執行を終えて出所しており,被控訴人(国)も控訴人が次回の国政選挙において投票をすることができる地位にあることを争っていないから,確認の利益がなくなっており,同訴えは却下すべきであるとし、国家賠償請求について、公職選挙法11条1項2号が憲法に違反するものとはいえないから,同号に係る立法行為及び同号を廃止しない立法不作為に国家賠償法上の違法は認められず,国家賠償請求は理由がない。選挙権は,個人の主観的権利という性格を持つと同時に,国家機関としての選挙人団の一員としての公権力の行使及び国家意思の形成に参画する公務としての性格を併せ持つものと解される。上記の選挙権の性格と,憲法44条本文が明文で選挙人の資格を法律の定めに委ねていることからすれば,憲法は,法律が上記公務に携わることへの適格性(公務適格性)に係る合理的な理由に基づき選挙人の資格の制限(欠格事項)を定めることを許容しているものと解される、とした事例。

(1審)広島地判平成28年7月20日(平成27(行ウ)25号)裁判所ウェブサイト

報告者 大沼 洋一 氏(弁護士・駿河台大学教授)
事件 東京地決平成28年12月14日(平成26(行ク)135号、平成28(行ク)98号)判例時報2329号22頁死刑確定者として東京拘置所に収容されている申立人との、再審の請求の打ち合わせを目的とする、弁護士による面会の申出について、職員を立ち会わせた上での30分の面会しか認められなかったことにつき、このような制限は違法であるとして、東京拘置所長において、上記目的の面会について、職員を立ち会わせる措置を執る旨の処分等をすることの差止め等を求めた申立人が、相手方に対し、上記本案の各訴えにおいて差止めを求める各処分の仮の差止を求めた事案において、死刑確定者の面会に際し、刑事施設の長が、その指名する職員を面会に立ち会わせ、又は面会時間を制限する措置を執る場合には、面会の許可によって認められた死刑確定者の面会の利益を制約することとなるから、刑事施設の長によるこれらの措置は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとし、一部を認容し、一部を却下した事例。

(抗告審)東京高裁決平成29年3月29日(平成29(行ス)1号)判例集未登載

(特別抗告審)最三決平成29年6月39日(平成29(行ト)52号)判例集未登載

3月の研究会のお知らせ(予定)

日時:2018年3月17日(土)13時30分より

場所:東北大学川内南キャンパス 総合講義棟第1小講義室

報告者:佐々木弘通氏(東北大学教授)・稲葉馨氏(東北大学教授)

※3月の研究会終了後、稲葉馨氏の送別会を行います。万障お繰り合わせの上、ご出席ください。

公法判例研究会幹事:高橋 勇人 oboe_1208_oboe yahoo.co.jp