公法判例研究会

東北大学公法判例研究会は、研究者、実務家、大学院生から成る判例研究会です。原則として、毎月第三土曜日の午後1時半から、公法(憲法、行政法、租税法)に関する判決を2つ取り上げて、研究会を行っています。

直近の研究会

日時 4月15日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(川内南キャンパス・法学研究科棟3階)
報告者 松原 俊介 氏(東北大学大学院博士後期後期)
事件 東京高判平成27年7月1日(平成26(ネ)5258号)判例集未登載

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき男から女への性別の取扱いの変更の審判を受けた原告(被控訴人)及び同人が代表取締役を務める原告会社が、株主会員制のゴルフ場を経営する被告(控訴人)会社及び同ゴルフ場の運営団体である被告(控訴人)クラブに対し、原告の性別変更を理由とする被告らによる原告会社に対する被告クラブへの入会拒否及び被告会社株式の譲渡承認拒否は、憲法14条1項の趣旨等を包含する公序良俗に反し違法であると主張して、共同不法行為(民法719条1項)に基づき、原告及び原告会社が、被告らに対して損害賠償金の連帯支払を求めたところ、原判決は、原告の請求を一部認容し、その余の請求及び原告会社の請求をいずれも棄却したため、被告らが、原告の請求を一部認容したことを不服として控訴をした事案において、原判決は相当であるとして、控訴をいずれも棄却した事例。

一審:静岡地裁浜松支部判平成26年9月8日(平成24年(ワ)627号)判例時報2243号67頁

報告者 髙畑 柊子 氏(東北大学大学院博士後期課程)
事件 ①最二判平成28年7月15日(平成25(行ヒ)533号)判時2316号53頁

②最二判平成28年7月15日(平成26(行ヒ)472号)判時2316号58頁

鳴門競艇従事員共済会から鳴門競艇臨時従事員に支給される離職せん別金に充てるため、鳴門市が平成22年7月に共済会に対して補助金を交付したことが、給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法、無効な財務会計上の行為であるなどとして、市の住民である上告人らが、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、被上告人市長を相手に、当時の市長の職にあった者に対する損害賠償請求をすることを求めるとともに、被上告人市公営企業管理者企業局長を相手に、当時の市の企業局長及び企業局次長の各職にあった者らに対する損害賠償請求、当時の市企業局競艇企画管理課長の職にあった者に対する賠償命令並びに共済会に対する不当利得返還請求をすることを、それぞれ求めた住民訴訟で、原判決は、離職せん別金が退職金としての性格を有し、本件補助金の交付が実質的に臨時従事員に対する退職金支給としての性格を有していることは否定できないが、臨時従事員の就労の実態が常勤職員に準じる継続的なものであり、退職手当を受領するだけの実質が存在すること等からすれば、本件補助金の交付が給与法定主義の趣旨に反し、これを潜脱するものとはいえず、本件補助金の交付に地方自治法232条の2の定める公益上の必要性があるとの判断が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものであるとは認められないから、本件補助金の交付が違法であるということはできないとし、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、職権による検討で、原判決のうち請求を棄却すべきものとした部分には明らかな法令の違反があるとし、当該部分につき、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、上記請求に係る訴えを却下し、A、B、C及びDの各損害賠償責任の有無並びに共済会の不当利得返還債務の有無につき更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。

①一審:徳島地判平成25年1月28日判例地方自治383号18頁

控訴審:高松高判平成25年8月29日判例地方自治383号16頁

②一審:徳島地判平成26年1月31日判例地方自治414号28頁

控訴審:高松高判平成26年8月28日判例地方自治414号32頁

次回(5月)の研究会のお知らせ(予定)
日時:5月20日(土)13時30分より
場所:東北大学川内南キャンパス 文科系総合講義棟2階 第1小講義室

公法判例研究会幹事:高橋 勇人 oboe_1208_oboe yahoo.co.jp